
中性子とは? 原子力災害で発生する危険な放射線
中性子は、原子核にある基本粒子です。中性子は、陽子と同じ質量を持ちますが、電荷を持たないため、原子番号には影響を与えません。中性子の数は、原子量を決定します。
中性子は、原子核を安定させるために重要な役割を果たしています。陽子は正の電荷を持っており、お互いに反発し合います。中性子は、陽子と陽子の間の反発力を打ち消すことで、原子核を安定化させています。
中性子は、原子力反応にも重要な役割を果たしています。原子力反応では、原子核が分裂したり、合体したりします。このとき、中性子が放出されます。放出された中性子が他の原子核に当たると、さらに原子核が分裂したり、合体したりします。この連鎖反応によって、原子力発電所では発電が行われています。
原子力災害では、原子炉の制御が失われ、原子核の分裂が制御不能になります。このとき、大量の中性子が放出されます。放出された中性子は、周りの物質に当たって、放射線を発生させます。この放射線が人体に当たると、細胞が損傷したり、がんを発症したりします。